火災予防と火災時の人命対策 防火管理

防火管理者の仕事

防火管理者とは?

毎年火災により、尊い人命や貴重な財産が失われています。このため、火災を未然に防止し、必要な防火対策を樹立し実践する防火管理業務は非常に重要です。
消防法では、一定規模以上の建物等について、防火管理者(有資格者)を定め防火管理上必要な業務を行わせなければならないとしています。
各事業所の管理的または監督的な地位にある方で防火管理者講習を終了した人が防火管理者になれます。


防火管理者が必要な建物

劇場・飲食店・店舗・ホテル・病院など不特定多数が出入りする建物(特定防火対象物)のうち、建物全体の収容人員が30人以上のもの。

火災発生時に自力で避難することが著しく困難な者が入所する社会福祉施設等(避難困難施設)がある建物で、建物全体の収容人員が10人以上のもの(平成21年4月1日から適用されます)。

共同住宅・学校・工場・倉庫・事務所などの建物(非特定防火対象物)のうち、建物全体の収容人員が50人以上のもの。

新築工事中の建築物で、収容人員が50人以上のもののうち、一定規模以上のもの。

建造中の旅客船で、収容人員が50人以上で甲板数が11以上のもの。

注:複数の事務所(テナント)が入居している複合ビルでは共同防火管理が必要です。

防火管理者資格の区分と取得方法


防火対象物の用途、規模、収容人員等によって甲種又、乙種防火管理者の講習があります。 甲種防火管理者の資格は2日間の講習、乙種防火管理者の資格は1日間の講習を修了することで取得できます。

防火管理者(甲種・乙種)の
資格区分表
防火管理者(甲種・乙種)の
区分フローチャート
防火管理者(甲種・乙種)の資格区分表 サムネイル 防火管理者(甲種・乙種)の区分フローチャート サムネイル
講習の申込は消防署で受け付けております。詳細は各消防署へお問い合わせ下さい。
※東京消防庁管轄の手続き方法は以下のようになります。
防火管理講習 受講の手続き

東京消防庁管轄の各消防署、消防分署又は消防出張所(以下「消防署等」)が申請窓口となります。

申請受付時間
  • 月曜日から金曜日までの9時00分~16時30分まで
    (祝休日及び年末年始を除く)
申請に必要なもの
  • 防火管理講習受講申請書
消防署に準備してあります。また、東京消防庁ホームページからダウンロードすることもできます。
次の方は、申請時に防火管理講習修了証が必要となります。
・すでに東京消防庁で乙種防火管理講習を修了されていて、甲種防火管理新規講習を受講される方。
・甲種防火管理再講習を受講される方。
講習当日必要なもの
  • 受講票
  • 筆記用具
  • 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
  • 講習用テキスト
講習日の空席状況

防火管理者の業務と選任後の実務フロー


防火管理者の業務

防火管理者は以下の防火管理業務を実施する推進責任者として、適正かつ誠実に業務を遂行しなければなりません。

消防計画の作成

消火・通報および避難訓練の実施

消防の用に供する設備・消防用水または消防活動上必要な設備の点検および維持

火気の使用または取り扱いに関する監督

建造中の旅客船で、収容人員が50人以上で甲板数が11以上のもの。

収容人員の管理

その他の防火管理上必要な業務
防火管理者に選任された場合の実務フロー

防火管理者 実務フロー図

消防計画とは

防火管理者の行う業務のうち、特に重要なものは、「防火管理に係る消防計画」の作成です。 「防火管理に係る消防計画」とは、それぞれの建物やテナントにおいて、火災が発生しないように、また、万一火災が発生した場合に被害を最小限にするため、実態にあった計画をあらかじめ定め、職場内の全員に守らせて、実行させるものです。
「防火管理に係る消防計画」に定める事項は、おおむね以下のとおりです。
※東京都震災対策条例に基づき定めらければならない事業所防災計画を消防計画に中に盛り込みます。

  • 消防計画の適用範囲
  • 管理権原者及び防火管理者の業務と権限
  • 管理権原の及ぶ範囲
    (管理権原の分かれている防火対象物の場合)
  • 火災予防上の自主検査
  • 防火上の構造の維持管理
  • 消防用設備等の点検・整備
  • 火気の取扱い
  • 放火防止対策
  • 工事中における安全対策
  • 工事の立会い
  • 避難施設の維持管理
  • 収容人員の適正管理
  • 防火・防災教育
  • 消防機関との連絡等
  • 防火管理業務の一部委託
  • 自衛消防の組織
  • 自衛消防活動
  • 営業時間外等の防火管理体制
  • 自衛消防訓練の実施
  • 震災対策(※)
事業所防災計画の作成区分
帰宅困難者対策追加フロー図

消防訓練とは

消防訓練には次のようなものがあります。


消火訓練
消火訓練
消火器や屋内消火栓の使い方などを訓練します。
通報訓練
通報訓練
119番の通報要領、放送設備の使い方などを訓練します。
避難訓練
避難訓練
階段などの避難経路を使って、安全な場所までの避難・誘導を行います。
訓練種別 訓練回数
特定防火対象物 非特定防火対象物
消火訓練 年2回以上 年1回以上
(必要回数)
通報訓練 年1回以上
避難訓練 年2回以上

※総合訓練を1回以上実施した場合は、消火、通報及び避難の各訓練をそれぞれ1回実施したものとする。

訓練の実施予定がきまりましたら
自衛消防訓練通知書を最寄りの消防署に提出して下さい

共同防火管理とは

さまざまな事業所がテナントとして入居している複合ビルなどでは、複数の管理権原者が共同で建物全体の防火管理にあたらなければなりません。これを共同防火管理といいます。
共同防火管理では、火災発生時の混乱と災害の発生を防ぐため、各管理権原者の相互の連絡協力と建物全体としての一体的な防火管理が必要不可欠であり、各管理権原者が予め防火管理上必要な事がらを協議し、共同して防火管理をすすめていくことが、消防法第8条の2で義務付けられています。


共同防火管理を行わなければならない防火対象物

共同防火管理を行わなければならない防火対象物は、管理について権原が分かれているもので、次のものが該当します。

高さ31mを超える高層建築物

特定防火対象物のうち、地階を除く階数が3以上で、かつ収容人員が30人以上のもの

消防法施行令別表第1、(16)項口の複合用途防火対象物のうち、地階を除く階数が5以上で、かつ収容人員が50人以上のもの

防火対象物定期点検について

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